process1 of TACHIO

印刷用表示 |テキストサイズ 小 |中 |大 |


Copylights U. S. M. Corporation All Rights Reserved.


■革の裁断・漉きの工程

手裁断#3.jpg

粗抜き、本抜き、ひと知恵加えた裁断。

革の厚さや繊維の向きも部位によって異なる皮革

 革製品をつくるには、まず製品の型紙(革製品パーツ毎のサイズ・形状をなしたもの)を使って、革切り包丁で手裁ちでする場合と、型紙に合わせた金刃の抜き型を用いてプレスで裁断する場合があります。革の厚さや繊維の向きも皮革の部位によって異なるため、製品の裁断パーツ毎の特性を考え裁断をしなければなりません。皮革の特長については革の知識のところで説明を詳しくするとして、この裁断工程では、抜き型を活用してパーツ裁断するのに、粗抜きと本抜きと2種あります。粗抜きの場合には、スウェーデン鋼刃の抜き型で行い、仕上げの本抜きには、火造り刃の抜き型で行います。スウェーデン鋼刃の抜き型は、すでに刃が付いた鋼材を型紙に合わせて曲げて製作するのに対し、火造り刃の抜き型は、包丁や刀と同じで火を入れて刃を造るので細部にわたって希望の刃形で製作が可能です。長年製品づくりをしてきて、抜き上がりの外側と内側の刃の角度を変えることにより、裁断コバの銀面の角の丸みなど、コバ磨き仕上げの工程のことも考えたひと知恵加わった裁断を心がけています。

スウェーデン鋼.jpg火造り.jpg
■左側がスウェーデン鋼刃の抜き型で、右側が火造り刃の抜き型
抜き工程#3.jpg

長年の経験で生み出してきた特殊工具達

 手裁ちで裁断する場合でも、プレス機で抜き型で裁断する場合でも、製品パーツによっては均一に綺麗な裁ち面で仕上げなければならないものもあります。そんな時に用を足してくれるのが特殊工具の抜き切り刃達です。

手抜き道具#1.jpg

革の漉きこそ職人の腕の見せ処

 革製品を綺麗に仕上げるために、製品のパーツに合わせて革を薄く削り仕上げなければならない場合があります。この革を薄く削ることを「革漉き」と言いますが、0.1ミリ単位の厚さの違いで微妙に仕上がり感が変わってしまう場合もありますので、この革漉きこそ職人の経験と腕がもっとも問われる工程です。

革漉き#3.jpg
■革漉き機は、NIPPY(ニッピ機械社製)を使用しています。
革の裁断したへりや、折り曲げる部分や重なる部分など製品のパーツに合わせて0.1ミリ単位で調整し行っています。


 天然皮革は、いわば自然の産物です。1枚1枚異なるがゆえに、製品づくりのために革の繊維を見極め、使い手のことを考えながら、どの部位が適しているか、また見えない部分の革を漉いていく。日本人の繊細な職人の知恵と拘りは、普段見えない部分にこそ隠されているのです。